人類は何故、衣服を身につけたのだろう。答えはたぶん簡単だ、寒いからだ。寒いから防寒のために衣服の着用を始めたと考えるのがフツウだ。

　でも、そもそもなんで寒いのだろう。体毛が無いから寒いのだろうが、他の類人猿は体毛があるのに、何故寒いのに人類だけ体毛が抜けてしまったのか。ワケ知りの人は森を出てしまったからと云うのだろうが、なぜ森を出てしまうと体毛が抜けてしまうのだろう。森を出て、人類と何万年も一緒に暮らすイヌやネコには体毛が残っているのに…。

　とまぁ、性懲りもなく子供じみたなぜなぜ病を発症したワタクシでありますが、何故そんな病（笑）を発症してしまったのかというと、何枚も重ね着される十二単を見て、平安の頃はさぞかし寒かったのだろうなぁと思ったからだ。

　ところで過日、本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）に本拠を置く『衣紋道 東京道場』（荘司礼子 会長/本学校長）が依頼を受け、東京都品川区立荏原平塚学園8学年（小・中一貫校なので通常ならば中学2年生）のみなさんに向け、『十二単のお服上げ』を展示しました。

　この展示、同校同学年の生徒さん（男子1名、女子1名）をモデルに、男性装束の『束帯』（そくたい）と女性装束の『五衣唐衣裳』（いつつぎぬからぎぬも＝十二単）を衣紋展示。見学の生徒さん2名に、膝行（しっこう）と呼ばれる立膝で移動する衣紋者（着付ける人）独特の移動方法（さらに細かく云えば前進を膝進［しっしん］、後退を膝退［しったい］と云うらしい）を体験してもらうなど、体験者が上手く出来ない姿に笑いが起こる場面などもあり、和やかな講習会となりました。

　それにしても、モデルを務めていただいた女子のお方さまの顔が真っ赤に上気していて、さぞかし暑いのだろうなぁと思った次第。ワタクシのなぜなぜ病発症のトリガーになったのでありました。