10月28日（水）、本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）では、渋・国ともに『放課後体験入学会』を開催し、多くの皆さんが技術体験と校内見学を楽しんでおりました。

　ワタクシはこの日、渋谷校の様子をパチリ。参加された皆さんはロングヘアのまとめ髪とまつエク（まつ毛エクステンション）を技術体験した後、放課後の練習に励む学生の様子を見て回ったのでありますが、その様子は後程ご紹介するとして、今回は学生の様子を見て回った際に遭遇したオハナシ。

　『放課後体験入学会』に参加された皆さんが8号館、2号館と見学した後、7号館を見学した時のこと、地下階の実習室でも多くの学生が来週金曜日（11月6日）に行われる『学園技術コンテスト』に向けた練習に励んでおり（他の教室もコンテスト練習でしたよ）、見学者の一行はその実習室を訪れたのであります。

　さてその際、一行が部屋の奥へと進んだので、ワタクシは密を避けるべく、入口付近に移動しました。

　その部屋の入口付近は『アップスタイル　クリエイティブ』部門に出場する学生が練習するエリアで、なかでも最も入口近くで練習する学生の作品が目に留まりました。

　見ているとすでに仕上がりらしく、リングコームのテールで形を整えている。その時、ワタクシの心に素朴な疑問が湧き上がり、思わずその学生への質問が口をついた。

「何でその形にしようと思ったの？　何から発想したの？」

　学生はニコニコしながらも思案顔で、明らかに困惑している様子。きっとこういうモノはある程度インスピレーションで作り上げていくものだろうから、そこに突然論理的な解釈を求めても、どだい噛み合うハズもない。加えて突如湧いて出た知らないオジサンからの予期せぬ質問に、学生はほぼ思考停止状態（笑）。

　みるみる困り果てていく彼女の顔を見て、あまりにも迂闊な質問に後悔し始めたその時、そこに天使の声が響きました。

「この子、編み込みがスゴイ上手なんで、それをこの網みたいなところで表現したいんですよ。僕は下手なんで、こんなこと絶対できないんですけど、この子、ほんっとに上手いんで…」

　声の主は隣で練習している男子だった。きっと彼女の窮状（きゅうじょう）を見かねて声を上げてくれたに違いなかった。

　それにしても、なんて優しいヤツなんだろう。少し質問の意図を外してはいるが、何よりも彼女へのリスペクトが感じられ、心がホッコリ。

　ただでさえ世知辛い世の中が、コロナの影響か更にピリピリムードになり、みんな自分のことで手いっぱいになっている昨今。きっと彼が示した他者への思いやりが、停滞した世界を打開する鍵になっていくに違いない。

　2000年前に登場したイエス・キリストが愛と慈しみで世の中を変えたように、彼の思いやりは世の中のメシア（救世主）になっていくに違いない…って、ちょっと大袈裟か...。