過日、荘司礼子の『きものセミナー』が行われ、コロナ禍のなか、しばらく差し控えていたセミナーの久方ぶりの開催に、50名限定で訪れた皆さんはこの機を逃すまいと、食い入るように荘司会長の講義に耳を傾けていたようでありました。

　このセミナー、本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）に本拠を置く『平安装束 東京道場』（荘司礼子 会長/本学校長）が主催してきたもので、おもに現場で役立つ実践的なプログラムが人気を博してきたもの。

　今回のプログラムは、実践的というよりも教養面に振ったもので、テーマは次世代に伝えたい帯結び。一般的な着付けや婚礼仕度の場面ではほとんど見かけなくなった『ふくら雀』や『後見』（こうけん）、『角出し』（つのだし）といった江戸の風情が薫る帯結びについて、その由来や結び方を解説し、本来の帯結びが担ってきた結び留めるという役割を果たしつつ、造形としても優れているというその魅力を伝えました。

　またセミナーの冒頭では、同道場/佐藤教授による5分で豆知識（仮称）のコーナーが設けられ、プロトコル（国際儀礼）に基づく国旗掲揚の仕方や日の丸の正しい描き方などもレクチャーされ、今プログラムは学問の秋にふさわしいアカデミックな内容となったようでありました。