- 21.10.23
ブランドの矜持
理美容に限らず、あらゆる企業にとって最も大事なのは競合他社との差別化、いわゆるブランディングなのだろうと思う。
自社独自の技術や製品、サービスをアピールする。そのこと自体はさして難しい事ではないように思えるが、それを世間様に周知させるとなるとハナシは別だ。莫大な広告費用を投じ、気の遠くなるような時間をかけて宣伝していく。そうやって繰り返し繰り返しユーザーの脳裏に刷り込んで初めてブランディング作業は完了する。ブランディングが成功している企業に老舗が多いと思われるのはそのせいだ。
例えば、「風が語りかけます。うまい、うますぎる」という文言を聞けば、埼玉県民の9割が『十万石饅頭』を連想(笑)するに違いないが(ワタクシ、埼玉県民なもので…)、これも長いこと『テレビ埼玉』(現、テレ玉)でCMを流し続けた結果で、商品名どころか宣伝文句まで周知されたという好例だ。
事ほど左様にブランディングには時間が掛かる。
ここにカットの名店と謳われる美容サロンがある。
ヘアセットでヘアデザインしていた時代に『ヴィダル・サスーン』という人が登場してヘアスタイルをカットでデザインする時代が到来した、というのは理美容界では有名なハナシだが、このヴィダル・サスーンのカット理論を、日本でいわば先駆的に取り入れたのが川島文夫なる人物で、氏が立ち上げたのが『PEEK A BOO』というサロン。
以来、40年以上に亘ってヘアカットにこだわった活動を展開し、ヘアカットの名店というブランドを確立した。そのブランドは脈々と受け継がれ、同サロンを担う若い技術者にもその血脈は伝承されているに違いない。
過日、同サロンの次世代の中核を成すと目される本学(国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校)の卒業生、堀内邦雄さんや栗原貴史さん率いるメンバーが来校され、1年生(136期)に向けた『特別授業』が行われました。
一行は、噂に違(たがわ)ぬヘアカットのステージを展開。ただ只管(ひたすら)に黙々と髪を切り続けるステージに、カットの名店と謳われるブランドの矜持(きょうじ=プライド)を見た思いのするワタクシでありました。
東京の美容専門学校は国際文化理容美容専門学校。美容師・理容師の国家資格免許の取得に向けてヘアメイク・カット・ネイル・ブライダル・エステ・着付など、美容のすべてを学ぶ環境です。技術専門の教員が中心に授業や就職面をサポートします。また入学者を募集しています。総合型選抜(旧:AO入学)、学校推薦型選抜【指定校制】(旧:指定校推薦入学)、学校推薦型選抜【公募制】(旧:公募制推薦入学)、一般選抜(旧:一般入学)などのご相談は、オープンキャンパス・個別の見学会にてお待ちしております。