1961年、「♪上を向〜いて歩こ〜〜」と坂本九は歌った。作詞は永六輔、作曲は中村八大。そして1963年、この歌は全米ヒットチャートNo.1に輝いた。遠い昭和のハナシ。

　「上を向いて歩こう」というのは、物理的に涙がこぼれないようにするために必要なことに違いないが、比喩的に「前向きに生きよう」と云ってるわけで、必ずしも上を向いて歩こう推奨運動をしているわけではない。ややこしいハナシだ。

　だけど、京王井の頭線に乗って吉祥寺駅に着き、改札を出て階段もしくはエスカレーターを降りたならば、文字どおり上を向いて歩いて欲しい。もちろん、まわりの人にぶつからないよう細心の注意を払ってほしいのだが、そうやって上を向いて欲しいのには、それなりのワケがある。何も「前向きに生きてほしいから」などと、個人の自由を束縛するつもりなど毛頭ない。だって前向きだろうが後ろ向きだろうが自由でしょ。

　否、ハナシは根本から違う。これは「欲しい」などと偉そうに欲求を突きつけて済むハナシではなく、平身低頭してお願いしなければならないハナシなのだ。

　では態度を改め、是非、上を向いて歩いていただくよう、お願い申し上げます。

　その訳は…なんてことはない。京王線とJRの改札を繋ぐ屋内吹き抜け空間の壁に設置されている『電光広告ボード』に、只今、本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）の広告が流れているからであります。今はお正月バージョンの華やかなものが流れておりますので、是非にご覧くださいませませ。

　そして、俯（うつむ）きがちなこのコロナ禍著しい世の中ではありますが「上を向いて歩こう」ではありませんか。ん、俯いてるのは感染防止のため…？　それは失礼しました。じゃあ、国際文化の広告見たらすぐに俯いてくだされ、悪しからず。