世の中、机上だけで理解できるモノというのは、意外に少ないのかもしれない。

　学術的な研究ならばデスクスタディだけで理解できるモノもあるかもしれないが、それだって、例えば動物学や考古学など自然科学全般はフィールドワークと呼ばれる野外調査みたいなことが必要になってくる。

　ましてや、それが学問ではなく職業訓練だったら尚更だ。本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）は職業訓練校である。知識面や理論面は机上での学習だけである程度理解できるかもしれないが、技術面は教科書だけでは理解できないというか身につかないので、技術実習が必要になる。あたり前田のクラッカーだ。

　でも、専門知識と専門技術だけの習得で学生を社会に送り出してしまうのは、職業人を排出する義務を負う職業訓練校としては片手落ちだ。やはり新人が現場で求められるスキル、専門技術以外の何かも持たせて送り出すのが責務に違いない。

　そういう意味で、理美容学校である本学の責務は、初出勤したその日からサロンに立って仕事ができる、つまりアシスタント業務がこなせる人材の育成にあるのは明白だ。

　過日、土曜日に『オープンキャンパス』が催され、国分寺校を訪れた際にサロンワーク実習を目的に併設される学園直営の美容サロン『トレーニングスタジオ』（渋谷校にもありますヨ）でアシスタント実習に励む学生が目についた。

　ケープをお客さんに掛けたり畳んだり、カラー剤塗布のヘルプをしたり容器を片付けたり、整髪料やドライヤーの準備をしたり、いわゆるアシスタントのスキルを身につけようと、スタイリストやお客さんの動きに合わせ、一所懸命に気を配っている少しぎこちない姿に、「がんばれ！」と心の中でエールを贈らざるを得なかった次第。

　技術系と云われる理美容業。即戦力となるためには、カットやヘアスタイリングといった専門技術の他に、専門技術以外の何かも身に付けなければならないようであります。