- 23.11.06
時間旅行の愉しみ
写真でも絵画でも映像でも、人なりモノなり何かを主体に描くとすれば、そのバックとなる背景に注意を払うのが常。きっと、その背景が主体の陰影を形づくり、存在を際立たせるからに違いない。
例えば日焼けした農夫を描くとして、背景はやっぱり都会のビル群よりは稲穂や麦穂が実った田畑や、畦道に停めた軽トラやトラクターの方がシックリきそうなのは火を見るより明らか。
つまり、主体との関連性がより強いものを背景にした方が出来上がった作品に説得力が増すというものなのだろう。まぁ農夫の何を描くかによって背景も異なるのだろうが…。
ところで、10月10日(火)に行われた本学(国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校)に本拠を置く『衣紋道 東京道場』(荘司礼子 師範/本学理事長)が主催した『ひめみこ裳着の儀』は、会場を東京・渋谷の『セルリアンタワー 能楽堂』に行われ、圧巻の平安絵巻を披露しておりました。
会場となった『セルリアンタワー 能楽堂』は、東急ホテル セルリアンタワー地階に設置された屋内の能楽堂で、正式な設(しつら)いを誇る。
平安貴族が暮らしたとされる寝殿造り(しんでんづくり)の家屋を想わせる、壁も障子もない四柱と屋根のみで構成される能舞台で繰り広げられた裳着の儀。
現代でいうところの女子の成人式にあたる裳着(もぎ)の儀は、垂髪(すいはつ)を結い上げるお髪上げ(おぐしあげ)をし、童装束の汗衫(かざみ)を十二単に衣替えする(最後に裳を着ける)というある種シンボリックな儀式を行うことで、内外に姫君の成人を宣言するというもの。
この平安時代に繰り広げられたであろう『裳着の儀』を1000年後に蘇らせた今回の趣向は、12領の十二単に7領の袿(うちき)姿の女官、それに汗衫(かざみ)から十二単に衣替えした姫君を合わせると計21領にも及んだ平安装束が織りなす極彩美の平安絵巻。
それらが寝殿造りを彷彿とさせる能舞台に蘇り、平安時代にタイムトリップしてしまった感覚に能楽堂はしばしタイムマシーンと化したようで、訪れた皆さんは存分に時間旅行を愉(たの)しんだようでありました。
やっぱり背景は大事だなぁ…と肝に銘じたワタクシであります。
東京の美容専門学校は国際文化理容美容専門学校。美容師・理容師の国家資格免許の取得に向けてヘアメイク・カット・ネイル・ブライダル・エステ・着付など、美容のすべてを学ぶ環境です。技術専門の教員が中心に授業や就職面をサポートします。また入学者を募集しています。総合型選抜(旧:AO入学)、学校推薦型選抜【指定校制】(旧:指定校推薦入学)、学校推薦型選抜【公募制】(旧:公募制推薦入学)、一般選抜(旧:一般入学)などのご相談は、オープンキャンパス・個別の見学会にてお待ちしております。