- 24.04.01
人知を超えたもの
古代より、人は穢れ(けがれ)や何かを形代(かたしろ)と呼ばれる人形(ひとがた)に移して禍(わざわい)を除け、身の清浄を保ってきたのだという。早いハナシが人形を身代わりにしてきた。
人形(ひとがた)は、文字どおり人を形どった人形(にんぎょう)とするのが専らだが、かなりデフォルメされたものもあり、何なら顔(仮面)だけになった形代もあるのだそう。
ところで仮面といえば、我が日本では能面を思い浮かべる御仁も多いのではないかと思うが、能楽で面(おもて=能面)を着けるのは、主に超自然や形而上的なものを題材にしたものが多いのだという。要するに神仏や天人、仙人、鬼神、亡霊といったこの世のものでないものを演じる際に面を着けるのだそうで、きっと面を依代(よりしろ=取り憑く対象)にして演者(シテ方)に何者かが憑依するに違いない。だから得も言われぬ幽玄な世界が展開されるのだ、たぶん…。
この依代としての能面にスポットを当てたのが、本学(国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校)に本拠を置く『美容考古学研究所』(村田孝子 所長)で、このほど、能面をテーマに『美容考古学フォーラム』を開催した。
フォーラムのタイトルは、ずばり『能面の見方』。面を打つ(彫る)能面師の岩崎久人(いわさき ひさと)さんをゲストに迎え、『小面』(こおもて)や『増女』(ぞうおんな)、『猩猩』(しょうじょう)といった15面の面(おもて)について展示解説いただいた。
また、後半では実際に面を打つ(彫る)実演もあり、完成とまではいかなかったが(一面打つのに8時間かかるという)、その面を打つスピード感に圧倒された一幕も。
実際に面を打つに当たっては、30cm角ほどの檜(ヒノキ)材の、面の表と裏になる箇所に、氏の守本尊という不動明王(ふどうみょうおう)を表す梵字(ぼんじ)を書いてから打ち始めるようで、その姿勢に、依代(よりしろ)となる能面にはやはり人知を超えた何かが宿るのかもしれないと、妙に納得したワタクシでありました。
ちなみに、着けて舞うと演者が死んでしまうというコワーイ面もこの世には存在するそうな。いったいその面には何が取り憑いているものやら…。
東京の美容専門学校は国際文化理容美容専門学校。美容師・理容師の国家資格免許の取得に向けてヘアメイク・カット・ネイル・ブライダル・エステ・着付など、美容のすべてを学ぶ環境です。技術専門の教員が中心に授業や就職面をサポートします。また入学者を募集しています。総合型選抜(旧:AO入学)、学校推薦型選抜【指定校制】(旧:指定校推薦入学)、学校推薦型選抜【公募制】(旧:公募制推薦入学)、一般選抜(旧:一般入学)などのご相談は、オープンキャンパス・個別の見学会にてお待ちしております。