- 24.04.19
鎮魂の音
ロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ・ガザ地区でのイスラエルとハマスの戦闘、それにミャンマー内戦をはじめ、まだまだ世界中で紛争は絶えない。
日々、罪もない人々が血を流し、命を落としている。繰り返される殺戮と破壊に、人類は未だうつ手を見いだせないでいる。
第二次世界大戦下、ドイツの女優、ララ・アンデルセンの歌った『リリー・マルレーン』がドイツ兵の間でヒットした。出兵した兵士が故郷に残した恋人を想う歌だった。これが敵国のイギリス兵の間でもヒットし、北アフリカ戦線では両軍の兵士がこの歌に聴き入って、一時休戦状態になったというのは有名なハナシ。
その後、この歌をホロコーストから逃れたマレーネ・デートリッヒがアメリカでカバーし、アメリカ兵の間でもヒットを記録。世界に広まった。
希望は「歌」か。
歌には、軍歌のように国威発揚を促す効果があるのはもちろんだが、逆に荒ぶる魂を鎮める作用があるのも確かなところ。ポルトガルの「ファド」や日本の「演歌」などはこの類いかもしれない。
ある科学者によれば、人の脳は「音」の特定の周波数によって、脳内麻薬といわれる「ドーパミン」や「エンドルフィン」を分泌し、トランス(恍惚)状態になって多幸感に包まれるのだという。
ならば救いは「音」か。
このほど、東京・銀座の『Galleryうえすと』さんで開催された、本学(国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校)で『美学』を担当する「鉄のゲージツ家」こと青野 正さんの作品展『Iron Spirits』は、まさに世に蔓延する紛争へのレクイエム(鎮魂歌)のような展示で、墓標のように並んだ作品を叩いて「鎮魂の音」を出すという趣向。
実際に、青野さんが作品を叩いた音はまさにインドネシアの「ガムラン」のように意外にも美しく清らかに響いて、まるで戦火に散った魂を鎮めているかのよう。
今回の作品展は、「鉄のゲージツ家」改め「憂う芸術家」の一面を色濃く反映した氏の真骨頂ともいえる展示であったようであります。
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