バーバーの本質は「癒し」です
石渡 圭さん #代表 #理容師
Ishiwata's Cut Serviceは、神奈川県相模原市の相模湖畔に1901年創業。曽祖母が開業して、私が五代目になります。子供の時から将来店を継ぐものだと思っていましたので、高校卒業後は迷わず理容専門学校への進学を決めました。今だからお話しますが、本当は都心にある別の学校に進む予定でした。ところが、試験の前日にちょっと遊びすぎて、試験を受けに行けなかったのです。それで国際文化の国分寺校に決めました。国分寺校はとてもしっかりした学校でした。先生は厳しかったですけれど。
若い頃はなんとか売り上げを伸ばそうとばかり考えていましたが、年齢を重ねるにつれて価値観が変わってきました。せっかくこんなにのんびりした町にいるのだから、もう少し仕事を楽しめないものかなと。自分の好きなスタイルを押し出して、それに反応してくださったお客様を大切にした方がいいのではないかと。そんなことを考えながら10年ほど仕事をしていたら、結果として、自分の好きなお客さまだけが集まって、お店がいっぱいになるようになったのです。おかげさまで今では趣味か仕事か分からないくらい仕事が楽しくなりました。
サロン経営の考え方には2通りあると思います。店舗展開して大きく稼ぐか、自分の世界で完結させるか。どっちが勝ち組ということではないと思います。どっちを選ぶかは人それぞれですが、どちらにしても大事なことは、来てくださるお客さまとの人間関係をどれだけ維持できるかではないでしょうか。
最近は、美容師さんがバーバーのような雰囲気の店作りをしたり、理容師の方では女性客を取り込もうとしたりするところがあります。しかし、美容と理容とはやはり別物だと思うのです。理容の本質は「癒し」です。カットしてシャンプーしてシェービングしてという一連の流れこそがバーバーで、バーバー風というのとは全く違うのではないでしょうか。うちのお客様は2週に1回、3週に1回と来店頻度が高い方が多いです。中には週1回必ずいらっしゃる方もいます。みなさん、家族で営むのんびりとしたバーバーならではの「癒し」を求めて来られるのかな、と思います。
(2024年1月15日取材/文・篠原博昭/写真・田口淳一)
Ishiwata's Cut Serviceのお客さまは、長年、高い頻度で通って下さる方が多い。
初代 石渡理髪店(大正初期)
妻・紀子さんは国分寺校の通信課程で理容免許を取得。お店ではもっぱらシェービング担当。息子の禅君は、この4月から国分寺校に入学予定。
石渡 圭(いしわた けい)
Ishiwata’s Cut Service代表。神奈川県相模原市出身。1998年3月国分寺校理容科卒業。趣味は1950年代のヴィンテージグッズ収集、釣り、音楽(ギター)など。
Ishiwata's Cut Service
TEL:042-684-2215
インスタ→@ishiwatas_barbershop
創業1091年、4代続く老舗理髪店。店内には100年を超える歴史を感じさせる調度品や理容の道具、創業以来の写真などが飾られている。
東京の美容専門学校は国際文化理容美容専門学校。美容師・理容師の国家資格免許の取得に向けてヘアメイク・カット・ネイル・ブライダル・エステ・着付など、美容のすべてを学ぶ環境です。技術専門の教員が中心に授業や就職面をサポートします。また入学者を募集しています。総合型選抜(旧:AO入学)、学校推薦型選抜【指定校制】(旧:指定校推薦入学)、学校推薦型選抜【公募制】(旧:公募制推薦入学)、一般選抜(旧:一般入学)などのご相談は、オープンキャンパス・個別の見学会にてお待ちしております。