内田 聡一郎さん　#ディレクター（現在は、LECOを起業）

美容師を志したのは「有名になれそうだったから」という内田さん。読者モデルやDJとしての一面を利用し、自ら『美容師・内田 聡一郎』の営業を仕掛けていった。「自分は天才肌でもないし、天真爛漫な愛されキャラでもない。でも、物事をナナメに見る計算高さはあります。大きな壁にぶつかる前に、予感して回避できちゃうタイプ。だから目標までの道を頭で考えて、コツコツやっていくのが一番向いてると思います」。

慎重で冷静、客観的でもあるが、行動力は人一倍。そんな内田さんの活動は「美容師が もっと アピールすべき」と 数年前に始めたブログにも綴られている。そこに垣間見える鋭い考察は、穏やかな見た目とギャップがあり、驚かされる。

“これから美容師を目指す若者にアドバイスを...” と お願いすると、こんな答えが返って来た。「今の時代、疑問や興味のあることを調べようとしたら、インターネットで全体の7割は知れてしまいます。でも それで終わるのって寂しい。行って体験するとか、本を読むとか、噛み砕いて突き詰めて、10割 知ることを目指すべきです」。

内田さんは その言葉通り、音楽、アート、アイドル、食、自然、読書、執筆、といった多彩な趣味を趣味に終わらせることなく、楽しみながら美容師の仕事とリンクさせていった。「寿司の エンガワを食べていて『このヒダヒダをデザインに...』とか思うこともあります(笑)。そうやって、たまに フっと 美容とつながる」。

内田さんの考え方や行動範囲は、限りなく自由だ。サロンでも マニュアルや システムにとらわれない。“こうあるべき” という手本を 内田さんが示し、基本的には スタッフ本人たちに任せている。美容師はクリエイターだから、個を尊重しなければ創造ができないというわけだ。「ただし美容師として働くなら、確かな提案力と、技術と知識は欠かせない」と内田さんは断言する。

「お客様が『こうありたい』と言ったから その通りにするのではなく、『こうすべき』と提案しても良いはず。それが たとえ押し売りだとしても、お客様の希望との真ん中くらいなら、ちょうど良いバランス」。だから内田さんは これからも自分を磨く。技術と、思考と、言葉の力を磨く。「美容師っていう職業の すごいところ全部を、自信を持って発信したいから」

MacBookPro

パソコンは写真の整理やブログの執筆、作品管理などに必須。仕事でもプライベートでも欠かせない。

いつも身につけているアクセサリー

重ねて着けているゴールド×シルバーのリングとボタンデザインのネックレスはSERGE THORAVALのもの。どれも、数年来愛用している

最近読んだ本たち

veticaには たくさんの本があるが、ファッション、インテリア、小説、写真集などジャンルもいろいろ。すべて読んでいるなかで、最近読んだ おススメは この3冊だそう。

内田 聡一郎（うちだ そういちろう）

（現在は、LECOを起業）
vetica ディレクター。神奈川県出身。高校卒業後、神奈川県内の美容室で働きながら本学 通信課程 渋谷校で学び、2001年9月卒業。2002年上京し1店舗を経て、『VeLO』オープニングスタッフとして有限会社SDR入社。2009年7月、『VeLO』のニューブランド『vetica』をオープン。周りからは、「大胆に見えるが案外繊細なひと」と分析されることが多いそう。

内田さんのブログも要チェック！ https://soucuts.amebaownd.com/