久住 浩文さん　#理容師 #スタイリスト

学生時代は、300人以上いる美容科の学生からも「久住はカットがうまい」と言われていました。でも、入社後すぐにその自信が崩壊することに…。手は動くし、技術はできるのですが、それが目の前のお客様に対して正しいかどうかの答え合わせができなかったのです。
チヤホヤされすぎて自分の技術を「見てもらう」ことに集中していた。相手は誰で、どんな髪質か？を追求していなかった。先生たちはいつも相手を想う大切さを指導してくれていたのに。このままではダメだ。巻き返すには人の５倍はやらなければ。
それからは400日以上、毎日練習しました。仕事がある日も、休日も。スタイリストになってからも、練習は欠かさなかった。
でも毎日の練習が途切れる出来事がありました。
営業中に熱を出してしまったのです。私を指名してくれたお客様がそこにいらっしゃるのに、です。カットもせずにそのまま帰すことは何としても避けたかった。結局、先輩にお願いしました。
ショックがデカすぎました。家族からは、慰められつつも「自分に合う練習量がわからず体調管理ができない、それはプロフェッショナルとは言えないよ」と叱られました。
それから、意識的に休むようにしたのです。二度とあんな思いはしたくない、自分に足りない課題に気づき修正できるかどうかが大切なのだ、気づくことができなければ質の良い練習はできないし本質が変われないから、と。
お客様という相手がいてこそ、理容師のこだわりが意味を持つ。
お客様と理容師がお互いに、より良い影響を与えるなんて、最高の仕事ですよね。
（2021年9月21日取材/文・清水理子/写真・田口淳一）

Q.理容師の資格だけ取る学校もあります。ネイルやメイク、着付は必要なのでしょうか？

学ぶ技術は多い方が良いです。きっと今は、理容師の仕事は「切る」「剃る」「お肌の手入れ」くらいしか想像がつかないはずです。社会に出てからどんな技術が必要になるかわからない。そういう状態で学校/就職先選びをしますよね。私でさえネイルやメイクはいらないだろう、と思っていました。しかし今、お店のメニューにエステ、ネイル、メンズメイクがあるんですよ。中でもメンズメイクは最近導入されました。ファンデーションやコンシーラー、アイブロウ等…。基礎を知っている上で研修を受けたので私は理解が早かった。技術を蓄えておくことによって、流れが来た時に何にでも対応できる人になります（だから友人にも国際文化を勧めました(^ ^)）。！

Q.得意な技術は？

刈り上げ、グラデーションなど色々ありますが、一番の武器は「持ちの良さ」です。こだわりのあるお客様は「切りすぎ」「切らなさすぎ」の境界に敏感なので、そのギリギリのラインでカットします。理容師のこだわりだけにならないよう、全力でのコミュニケーションを心掛けています。

久住 浩文（くすみ ひろふみ）

ヨシザワ インク プレミアム 横浜桜木町店スタイリスト。2020年3月渋谷校理容科卒業。神奈川県川崎市出身。時間があるときは映画鑑賞、美味いハンバーガー探し、古着屋巡りをしています。好きな言葉は「意思のあるところに道は開ける」。
インスタ→@hk_mr.barber

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技術・スタッフ育成など業界内でも評価が高いYOSHIZAWA Inc」。女性専用シェービングサロン、若い男性向けグルーミングサロンなど4つのブランドをもつ。そのうち「PREMIUM」は半個室になっており、シャンプーやクリームなどはお客様に合わせて使い分ける。また、桜木町店ではメンズメイクのメニューも扱っている。