国際文化理容美容専門学校

渋谷校/国分寺校
厚生労働大臣指定

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MONTHRY ARCHIVE
  • 17.12.15
  • 国際文化出版局より

清水 悌先生の
「メイクアップよもやま話」

第5話 

メイクアップのことをフランス語では「maquillage=マキアージュ」と言いますが、同じラテン系の言語でも、スペイン語では同じmaquillageですが、イタリア語になると表記も音声もまるで違う「trucco=トゥルッコ」で、メイクアップアーティストのことはtruccatore(トゥルッカトーレ)と言います。
下の写真は、イタリアのヘアメイクアップアーティスト、ステファノ ・アンセルモのメイクアップ写真集です(1984 Editrice BCM)。
タイトルは「Il Trucco e la Maschera」、日本語で「「メイクアップとマスク」です。
ちなみに、maschera(マスケラ)は、マスク=仮面のことですが、「俳優の化粧」という意味もあります。
これがドイツ語になるともっと複雑になります。
かつては、ドイツ語でメイクアップのことは「schiminken(シュミンケン)」と教わりました。
確かに、2000年頃までは、一般女性の日常の化粧をそう呼んでいましたが(舞台、映画、TVの化粧はmaske=マスケ)、最近はシュミンケンに代わって英語の「make up」が使われるようになり、シュミンケンは「厚化粧」の意味で用いられるようになったそうです。

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第4話 

メイクアップという言葉が、英語圏以外の国ではどのように表現されているのでしょうか。
まずフランス語。白水社の新和仏辞典には、「toilette(トイレット)」あるいは「maquillage(マキアージュ)」とあります。現代ではマキアージュがよく用いられています。
マキアージュには、扮装という意味もあります。
マキアージュは名詞で、動詞(メイクする)はマキエ、メイクアップアーティストはマキュール(男性の場合)、マキューズ(女性の場合)となります。
面白いのは、このマキュールやマキューズには、「いかさま師」とか「鯖(サバ)船」という意味があることです。
マキアージュには、もともと、ペテンとか、チョンボといったあまりよろしくない意味も含まれていたようです。
いかさま師の方はともかく、鯖船の意味がよくわかりませんが、鯖を釣るのに疑似餌(ぎじえ)を使ったからではないかと、勝手に想像しています。

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第3話 

前回までに、歌舞伎の世界では化粧のことを「こしらえ」と言い、映画や西洋演劇の世界では「make up」と呼ぶというお話をしましたが、その「make up」にしても、日本では「メーキャップ「、「メイクアップ」、「メーク」など様々な表記があり、さらに、「メイクダウン」、「メーキャッパー」、「ローライト」と言った明らかな造語も含めて、かなり曖昧なものが氾濫しているようです。

そもそも、英語の「make up」という言葉自体、いつ頃から使われ始めたのでしょうか。

以前、ペーパーバックで「マックスファクターが使い始めた言葉である」と書かれた記事を読んだことがあります。しかし、マックスファクター社が設立された1909年よりもっと前に書かれた「Make up as an art」という本を、ニューヨークの古本屋で見たことがあります。
その後、フレグランスジャーナル社が出版した「化粧品の研究開発技術の進歩と将来展望」という本の中に、「(make upという言葉は)1900年以前、英国の詩人によって用いられていた」という記事が書かれていましたが、名詞として使われていたのか、動詞なのかなど、原文がないので詳細は不明です。
1910年に、イギリスで出版された英英辞典を見ると、「make up」には「役者の扮装」という意味はありますが、一般の化粧という意味では用いられていなかったようです。

化粧、つまりビューティメイクを意味する言葉としては「toilet(トイレット)」というフランス語からの外来語が普通に用いられていたようです。化粧という意味から、化粧室、トイレ、と広がって、今でも化粧水のことをトイレットウォーターと呼ぶことがあります。

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第2話

歌舞伎の世界では使われない「make-up=メイクアップ」と言う言葉ですが、翻訳劇や映画関係者の間では、古くから普通に使われていました。
それはどうしてなんだろうと長い間不思議に思っていました。
最近気づいたことですが、それは、古くから使われていた「練り白粉(おしろい)」や「砥の粉(とのこ)」を使った化粧と、明治時代にヨーロッパから輸入されたドーラン(油性ファンデーション)を使ったメイクアップの違いにあるのではないでしょうか。
ドーランというのは、明治時代にヨーロッパから輸入された、フランスの化粧品会社の名前です。化粧品名でも商品名でもありません。ファンデーションとかグリスペイントとかいう言葉もなかった時代ですから、油性ファンデーションのことを「ドーラン」と呼ぶようになったのでしょうか。
今でも、舞台や映画、TVの世界で、ファンデーションのことを「ドーラン」と呼んでいるのを聞くことがありますが、奇妙な感じは否めません。
実業之日本社から、明治40年に発行された「化粧かがみ」の巻末に、当時流行の化粧品が案内されています。フェス(フェイス)クリームの項に次の商品が記されています。
  佛国(フランス)ドーラン會社
 クリーム、ジスカ・・・一圓(一円)
 テーオン・・・八十銭
 ドーリン・・・一圓二十銭
「ドーラン」は、このいずれかのことか、すべてのことか、そのあたりはよくわかりません。

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清水 悌先生の

「メイクアップよもやま話」

本学園特別講師で、メイクアップの授業を担当していただいている清水 悌(やすし)先生は、日本のメイクアップアーティストの草分け的存在です。
昭和9年のお生まれ、御年〇〇歳。今上陛下と同学年(学習院大学のご学友)ということですが、まだまだ現役も現役、授業はもちろん、芝居、バレエ、オペラなどの舞台のお仕事でも大活躍されています。まさにメイクアップ界のレジェンドです。...
清水先生は、歌舞伎、演劇、内外の舞踊等に深い造詣をお持ちで、その道の権威の人たちとの交流も深く、日本の芸術文化を根本からご存知です。
そんな先生の、メイクアップにまつわるよもやま話をお聞きしましたので、本欄で、随時、ご紹介してまいります。美容、理容関係の方はもちろん、一般の方々にも大変興味深いお話だと思います。ご期待ください。

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第1話
英語のmake-upが外来語として使われるようになったのはいつ頃からか、調べてみましたが、未だはっきりわかりません。
この言葉を日本で初めて使ったのは、無声映画時代の弁士・徳川夢声(明治27年〜昭和46年)という記事を見たことがあります。想像すると、明治時代末から大正時代あたりに翻訳劇や映画製作が始められてからのようです。
歌舞伎では、現在でも扮装とかメイクアップという言葉は使わず、「こしらえ」とか「顔のこしらえ」といいます。直訳すればmake-upということで興味深いことです。
ひょっとして、make-upという英語は、日本語の「こしらえる」が語源なのではないか? だったら面白いとおもうのです。そもそも、make-upより「こしらえ」の方が100年も前から使われていたのですから。(つづく)

 

 

えんとつ町のプペル

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お笑いコンビ「キングコング」で、主にツッコミとネタ作りを担当している西野亮廣さんは、漫才以外にも多彩な技能を持っていることで知られています。とくに、「にしのあきひろ」という絵本作家としての活躍が脚光を浴びています。
代表作の「えんとつ町のプペル」は、しみじみと泣けるストーリーと、光と闇を効果的に用いたイラストが評判で、絵本としては異例のベストセラーになっています。
最近は本が売れない時代で、町から本屋さんがどんどん姿を消しています。その理由の一つに、ネットの影響があるといわれています。しかし、西野さんはそれを逆手にとって、出版社から紙の本を出すとほぼ同時に、それをそのままネットで無料公開するという、出版業界では考えられないことを実行しました。本というのは著者に著作権があるのはもちろんですが、出版社にも版権があり、イラストレーター、デザイナー、カメラマンにも相応の権利があり、出版物をネットで無料公開など、そんなに簡単にはできません。...
今回の「暴挙」について、ネットでも話題になっていましたが、認めた出版社や関係者の度量の広さを感じますし、西野さんの突破力にも驚かされます。
西野さんは、「一番読みたいはずの小学生が、お金がないので買えないというのはおかしい」という、非常にシンプルな考えのようです。
結果として、大人がネットで読んで感動し、子供に本を買ってあげるという連鎖が生まれているようです。
ネットの時代の本のあり方として、一つのヒントを教えていただいたような気がします。
さて、この「えんとつ町のプペル」。来年3月の、国際文化学園卒業発表会・パフォーマンスステージの原案として用いたいという声がスタッフからあがっています。まだ企画段階ですが、一応、出版社サイドの了承は得ているということなので、実現すればどんなステージになるか、とても楽しみです。

 

 

 

 

 

 

第19回サスーンスチューデントカットコンテストで国際文化理容美容専門学校渋谷校の田中美里さんが全国優勝!! 昨年に続き2連覇を達成しました。優勝の田中さんを筆頭に、3位、4位、5位、6位に9名の学生が入賞し「技術の国際文化」を結果で証明する形になりました。
その号外ができましたのでお知らせします。

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サスーンのカットテクニックは、将来にわたって美容のカット技法の基本となるもので、サスーンカットコンテストはその基本技術をどこまで学べているか、身についているかを、競技の場で、サスーンアカデミーの先生方に見ていただき、評価してもらうものです。入賞者20名中13名が国際文化の学生という結果は、サスーンのベーシックな基本技術が、国際文化の多くの学生にしっかり身についていることにつながります。

やっぱりベーシックが強い!!
美容の仕事では、応用や自由な発想や感性はもちろん大切ですが、頭に思い描くスタイルを自由自在に形にするためには、表現するための技術が必要。そのために必要なベーシックな技術の1つが、サスーン哲学に基づくカット技術なのです。

※サスーンカットコンテストはサスーンスクールシップ教育プログラムのメンバー校を対象に1999年より毎年開催されている全国規模の大きなカットコンテストです。全19大会中13大会で本学学生が優勝の栄冠を勝ち取っています。
※国際文化出版局では、国際文化学園のカット講師による学生のための技術書「HAIR CUTTING BASIS」を編集・出版しています。ご興味のある方、購入されたい方は、国際文化出版局まで、お電話、FAX、メールなどでお問合せ下さい。直接、送付いたします。また全国書店やネット書店等でも取り扱いがございますので(書店在庫はなし)、お問合せ下さいませ。

国際文化出版局のページは こちら です。

 

 

 

 

 

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