パリの旧市街地でビュット・オ・カイ( Butte aux Cailles ) という地域があります。石畳の中央が沈んでいるのは昔は道端に捨ててあるゴミを真ん中へ集め、水を流しながら掃いて、清掃していた名残りだそうです。

フランスではタグと呼ばれる、壁に描かれたストリートアートもインパクトのある作品が多いので有名です。観光地でも高級店や流行のブティックが立ち並んでいるわけではありませんが、小さな個性的なマガザン（＝ショップ）ばかりで、つい立ち止まりたくなるお店が多いのです。そんな一角にあるティー・サロンを紹介します。パリにはお茶の種類の豊富なティー・サロンは沢山ありますが、こちらの壁面にははカラフルで上質な毛糸がいっぱい並んでいます。

編み物をする、しないにかかわらず、こちらの色味に目が惹かれ、中に入り、お茶をする人は少なくありません。棚に一緒に置かれている編み物の書籍にもついつい手を伸ばし、見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

隣り合った人とも気軽にお喋りの出来る、気取らない気楽なティー・サロンです。毎週水曜日の夜には編み物をしながらのお茶会が開かれ、賑わっているそうです。昔のパリの面影を残す地域として、住みたい場所として、パリジャンにも人気があります。

m.ogawa (paris)