「こからの世界は、彼女たち、彼ら（＝医療従事者たち）と共に！」

「ありがとう、私たちの介護者（医療従事者）の皆さん！」

このようなメッセージがブルーのスクリーンに点滅し、バスティーユのオペラ座のファサードは500人の医療従事者の顔で埋め尽くされました。コロナウィルスによる緊急事態宣言中の3月、フランス中の医療施設で撮影された医師、看護師、緊急治療室で働く人、用務員、警備員たちのポートレートです。

これは世界中で参加型アートプロジェクトを実現しているJRというアーティストとそのチーム#ProtegeTonSoignant (=あなたの介護者を守る)のプロジェクトです。この呼び掛けに賛同する6800人以上の個人、企業、財団から740万€(約9億１千万円）の寄付が集まり、彼らはフランスの400あまりの施設に医療品・医療機器を購入し、届ける事が出来ました。

フランス全土で撮影されたこれらの写真は同時に世界中の名も無い医療従事者たちの巨大な肖像画を表している、そのようにも考えられます。メッセージをパブリックアートにする事で、観る人、協力する人、写真の中の人、全員がこのストーリー、メッセージを共有できる、このインスタレーションは見たままの通り「問題に顔を向けています」このように名も無い人々に光を当てる事で誰もが尊敬する、される、尊厳を与えられる。それがJRが参加型にこだわる大切なポイントでしょう。危機的状況の中、その最前線で戦い、私たちの世界を懸命に支えてくれた人々の顔、顔、顔に向けて「これからの世界は彼女たち、彼らと共に！」このことを忘れない！というメッセージがストレートに伝わります。

＊＊JRは世界中であらゆる問題に目を向け、活動をしています。過去に彼の行なったアートプロジェクト：Inside Out Project はドキュメント映画として公開もされています＊＊

m.ogawa (paris)