人には、自分の身の上ばなしを誰かに伝えたいという欲求があるに違いない。その欲求は、つまるところ自分を認めて欲しいという欲望に端を発しているのだろうけど、多くの人は身の上ばなしを聞いてもらうことによって心の均衡を保ち、つつがなく日常生活が送れているといっては言い過ぎだろうか。

　それには何も身の上ばなしといった大袈裟なものでなくても、現状報告といった程度のものでもいいのかもしれない。

　おまけに聞いてもらう相手が個人ではなく大人数になったりすると、聞いてもらうというよりも発表といったカタチになるのかもしれず、そうなると社会に認められたというワンランク上の充足感が得られる寸法か。

　そんなワケで、先週末の17日（土）と18日（日）に開催された本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）の『特別体験入学会』に招聘された本学卒業生の面々は、イベントに参集された皆さんを前に仕事のことやこれまでの苦労、それに今後の展望などを語り、大いに会場を頷（うなず）かせたのと同時に、技術をも披露して自身のプライドも少し充足させたようでありました。

　それにしても、母校のステージに立つという凱旋劇を目の当たりにし、そうしたことに縁遠いワタクシめは少なからず嫉妬を覚えたのでありました。