人類の飽くなき探究心が、大航海時代に新たな航路を次々と発見させ、新大陸の発見にも繋がった。人類の飽くなき探究心が、夜空ノムコウの何かを求めてロケットを打ち上げ、探査機ボイジャーは太陽系の外へ飛び出して未だ漆黒の空間を飛び続けている。

　人は、いつの世も未知なるものに憧れ、それを深く知りたいと願い、科学を発展させてきた。否、そんな大袈裟なハナシばかりじゃない。観光地が流行るのだって、元を正せば人が探究心を満足させる行動の表れだし、みんな大好き心霊現象にUFO、UMA（未確認生物）に都市伝説だって、知りたい欲求があるから大好物なのだ。

　そうした一連のものと同列に扱うのは、ちと気が引けるが「歴史もの」だってワタクシたちの探究心が手を出させる分野に他ならない。

　4月に入って最初の日曜日、本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）に本拠を置く『平安装束 東京道場』（荘司礼子 会長/本学校長）が、『春に舞う十二単』と題したイベントを開催。春の小糠雨（こぬかあめ）降る空模様をおして、多くの皆さまが来場され、探究心に瞳を輝かせて「投扇興」（とうせんきょう）や「衣紋者体験」など、さまざまなコーナーに参加されておりました。

　特に、荘司会長が前衣紋者を務めた十二単お服上げでは、その細やかな手さばきに固唾（かたず）をのんで見入っており、あんなに多くの装束が重ね着される十二単着装のフシギを解き明かそうとしているようでありました。