- 24.10.31
伝統装束の新しさ
[ジェンダーレス]が声高に叫ばれるご時世。
これからの世の中は、男女のスタイルの境界線がどんどん曖昧になって同化し、ついにはクロスして反転するところまでいってしまうのか。
聞くところによればハイブランドの『2023-2024秋冬メンズコレクション』ランウェイは、スカートルックだらけだったそうだが、まだまだ今の東京で[男性のスカート]を見るのは稀だ。既に[女性のパンツルック]は当たり前田のクラッカーになっているが、現代の東京を離れて探してみれば[男性のスカートルック]だって無くはない。
例えば、スコットランドの民族衣装『キルト』は、男性でも見た目スカートだし、古代エジプトだって『シエンティ』と呼ばれるスカートを穿いていたようだ。更にイスラム圏では『ジェラバ』というワンピース然とした衣服を現在も着用しているのをよくTVで目にする。
考えてみると、どうも男女の境界が曖昧なのは現代よりも過去、それぞれの地域に根付いてきた[民族衣装]の方なのではないかと思えてならない。
それは日本の事情に目を転じてみれば明らか。例えば[袴]。これは男女ともに着用してきた装束だが、[馬乗り袴]はそのままキュロットスカートだし、[行燈袴]はもろスカート。考えてみれば、江戸の遊び人風情のスタイルといえる[小袖]の着流しだって、強引に[ワンピースにベルト]と言えなくもない。これみんな広義でいえば[スカートルック]だ。
そうしてみると日本の場合、衣服(着物)の構造上、男女に[決定的な違い]は見出せないことに気づかされる。農民が野良着として着ていた[股引き]や[もんぺ]も[袴]が変形したもので、男女ともに着用していたそうだ。
過日、渋谷の『東急セルリアンタワー能楽堂』で行われた本学(国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校)『衣紋道東京道場』(荘司礼子 会長/兼本学理事長)主催、『第3回セルリアン能楽堂公演』では、『武官装束』をテーマに男性装束の『束帯』(そくたい)と女性装束の『十二単』(五衣唐衣裳=いつつぎぬからぎぬも)のお服上げ(着装)が披露された。
ここぞとばかり、じっくり[男性装束]と[女性装束]を見比べてみると、確かに見た目は大きく異なるものの[袴]を着けて[衣]を重ねていくという[パーツ構成]は、着け方と装飾品の違いはあれど、男女ともに大差がないことが見て取れ、「これぞジェンダーレス!」と1200年も前から続く[伝統装束]の[新しさ]を発見したのでありました。
まさに故(ふる)きを温(たず)ね新しきを知る『温故知新』だと、心をザワつかせたワタクシでありました。
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