“聖地巡礼”が盛んらしい。聖地巡礼といっても、宗教的聖地を巡る“それ”ではなく、主にアニメや漫画の舞台となった実際に存在する“場所”を、その“場面”を追体験しながら巡るというもので、飛騨の古川町を舞台に描かれた『君の名は。』のブレークなどは、かの地を一躍“観光地”に押し上げたほどらしい。かつて、コアなアニメや漫画ファンが密かに楽しんでいた“聖地巡礼”が、どうも“市民権”を得たのかもしれない。

　ところで、国分寺市に“国分寺球場”という野球スタジアムがあったのをご存知だろうか。否、実際にではなく“漫画”のハナシ。40代から50代の野球ファンなら知っているハズだが、水島新司先生が描く『野球狂の詩』の主人公たちが所属する架空のプロ野球球団“東京メッツ”の本拠地が“国分寺球場”ということで、国分寺市にあった設定。

　で、『野球狂の詩』ファンのワタクシは、その球場、実際に国分寺市にあったとすればいったい何処なのだろうと空想を巡らせるわけであります。その結果、密かに「ここなんじゃないか」と推す場所が『武蔵国分寺公園』。毎年『国分寺まつり』の会場にもなっている広大な公園で、ワタクシ“まつり”などの取材でこの公園を訪れる度に、岩田鉄五郎が投げて五利監督が采配を振るい、“東京メッツ”の面々が“味”な活躍をした“国分寺球場”を想うわけであります。これも一種の“聖地巡礼？”なのかもしれません。