只今、東京都青梅市の里山で『東京里山アート大荷田展』なるグループ展が開催され、17名の作家さんが野山をアート作品で埋め尽くしております。

　作家のなかには、本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）で『美学』の講師を務める鉄のゲージツ家こと青野 正さんも名を連ねているというので、パチリしてまいりました。

　この催し、今回で5回の開催を数えるそうで、青梅市の長淵丘陵に点在する山林や畑（休耕している）を舞台に作品が展示され、自然と人智の融合、はたまた化学反応を狙ったものといえそう。

　お目当ての青野作品は畑の畝（うね）にキレイに整列。それは一種、案山子の投棄場のようにも見え、その憂いが伝わるかのよう。しかし近づいてみると、作品の顔からは憂いの他、怒りや喜びなど喜怒哀楽の表情が見て取れ、不意に喜怒哀楽の表情を模した仏を頭部にいただく十一面観音に思いが至ったワタクシでありました。

　これも、ひとえに近年宗教色の濃ゆい作風が際立つ青野作品を見てきた影響か。

　十一面観音がその多彩な面相で、人々を救済するよう阿弥陀如来さんから仰せつかったように、氏の今回の展示も、ある意味災厄多き今の世の中を生きる人々の心を少しでも救いたいとの祈りが込められているのでは、と勘繰っては考え過ぎか。

　いずれにせよ、まだ会期は残されているのでご自身でお確かめいただければ、と思う次第。但し、公共交通機関を使っての訪問はかなり歩くので、ちょっとしたハイキングの覚悟が必要かもしれません…、あしからず。

Information

『東京里山野外アート 大荷田展』

会期 : 2021年11月7日（日）〜 11月27日（土）

　　　　10:00 ~ 16:00 但最終日15:00終了

会場 : 青梅長淵丘陵

　　　　中心センター : 並木邸　〒198-0052 東京都青梅市長淵9-889

　　　　　　　　　　　　　　　tel 0428 - 24 – 0601

※参加作家(敬称略、五十音順)

青野 正・安藤信弘・伊藤タダオ・伊藤のりこ・かとうかずみ・鈴木 斉

高島芳幸・竹内 博・田辺 修・内藤晴久・並木すみ江・藤田 丕・東 裕二

平田俊介・山崎美樹・渡辺一宏・渡邉多計志