古代のヘアスタイルとはどんなものだったか。

　皮切りに縄文時代のヘアスタイルというものに注目し、出土した土偶の髪型に着目して研究を推し進めている、本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）に本拠を置く『美容考古学研究所』（村田孝子 所長）。

　とはいうものの、何も髪型だけに執着しているわけではなく、同研究所では美容全般に研究の幅を広げている。

　例えば化粧もその一つで、このほど開講された『縄文サロン』では、日本のメイクアップ界をその黎明期（れいめいき＝発足期）から支えてきた重鎮、清水 悌（やすし）先生をゲストに迎え、土偶に残る化粧のような痕跡と思われている頬の二本線の謎に迫ったようでありました。

　ところで、縄文文化に深い造詣を持つと云われる宮崎 駿 監督の描く『もののけ姫』に登場する戦闘シーンでは、鎮西（ちんぜい＝九州）のイノシシを束ねる長（おさ）、乙事主（おことぬし）率いるイノシシ軍が戦（いくさ）を前に頭部や身体に施す戦化粧が印象的で、白い二本線の化粧バナシをパチリするにつけ、ハタとこの場面を思い出した次第。『もののけ姫』の描写も、縄文に精通する監督ならではだったのだろうか。

　時に、この時の縄文サロンでは、縄文時代に白い塗料はあったのか、といった考察にも触れ、当時、すでに植生があったとされる植物からつくり出される塗料を再現。実際の人の顔に塗布してみる、といった実験も行われ、まさに美容考古学の面目躍如たる「古きを訪ね新しきをを知る」的温故知新な楽しさ満載のサロンでありました。