世の中、知っているようで実は良く知らないコトというのは結構あるものだ。

　例えば『日本髪かつら』。

　これ、婚礼の際に花嫁さんが『大振袖』や『打掛』に合わせて被るものだから、意外に多くの女性が被っているに違いない。

　決して身近なものではないハズだが、多くの女性が一度は被るというわけだから、考えてみれば不思議な存在だ。というか、そもそも何故ワタクシたちは婚礼の際に、何百年も前の伝統装束に身を包むのだろう。それも時代劇のような『かつら』まで着けて…。というか、そもそも何故女性だけ『かつら』なのだろう…。

　それはさておき、やはり伝統装束を身につけて人生の門出ともいえる結婚式に臨むのは、堅苦しくいえば自己の再確認といえ、自分の所属を再認識して心の安定を図る（平たく言えば「ああ、日本人でよかった〜！」というアレね）というコトだと勝手に理解している。これはアイデンティティの問題なのだ。

　そうした伝統装束に関する知識を、ワタクシのようなシロウトはともかくそれを扱うプロは知っておくべき、との思いからか、本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）の荘司礼子 校長は、自ら探究を怠らず、尚、事あるごとに学生やら教職員やらにレクチャーしている次第。

　過日、その荘司校長が副理事長を務める『全日本婚礼美容家協会』の『東京ブロック』（ここでもブロック長を務める）での『勉強会』が開催され、校長自ら講師を務めて『かつらの合わせ方、被せ方』と題し、日本髪かつらの構造説明をも網羅したかつらのイロハを解説。

　婚礼に携わるプロでさえ知っていそうで知らない『日本髪かつら』の世界に、ドップリの講習会でありました。