「顧客の新規開拓よりも、リピーターの創出を評価します」

　と語るのは、表参道をはじめ大阪・梅田やフィリピン・マニラなど、国内外で10店舗を展開する美容室『NORA』で取締役サロン総代表を務める田中 衛（まもる）さん。

　田中さんは、本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）の卒業生で、毎年、学生に向けた『特別授業』をお願いしている人気美容師さん。

　過日、その『特別授業』が1年生（138期）に向けて行われ、同サロン渋谷店・嶋津店長（本学卒業生）とともに1スタイルずつヘアカットした後、田中氏が1スタイルのヘアメイクをしてフォトセッションが披露されました。

　その合間合間で、思いの丈を語った田中さん。

　「今の美容室はサロン難民と呼ばれる人ばかり。一つのサロンに通うというのではなく、新しい店をSNSで見つけては渡り歩くというスタイル。そういうスタイル（購買行動）が主流のなかで、店舗経営的にはいかにリピーターを増やすかというのが売上げの安定に欠かせません。

　そこで大事になってくるのが、この学校の校是になっている『つくす心』なんです。もう、お客さんに尽くしつくすのが大事なんです」と学生に問いかけておりました。

　そのコトバは、どんなに時代が移り変わり、通信機器や手段が進歩しようとも、サービス産業の本質は全く変わらない、とでも云っているようで、真摯に本学での教えを説く田中さんの姿に、溢れんばかりの母校愛を垣間見たワタクシでありました。