かつて、理美容の道を志すとして、自他ともにオシャレを認める人は概ね美容師になったものだった。

　しかし近年、状況は変わった。オシャレな人の中に理容を選ぶ人が現れ出したのだ。何故そうなったのかは、然るべき機関が調査したわけではないが、オシャレなバーバー（理容室）が出現しだしたのが大きいのではないだろうか。加えて、出現したバーバーのスタイルの多様化もその一因と考えられるが、いかがなものか。

　その昔、理容室といえば子供の頃に通った、近所のおじさん・おばさんがやっているあのノスタルジックな床屋さんをイメージしたものだ。家庭的で、ほのぼのとして、身近な存在。店のコンセプトとしては全然アリだが、如何せんオシャレではなかった。

　世の中にはそういうスタイルの理容室も間違いなく必要だが、若い技術者の理想像たりえるスタイルを持つバーバーも必要に違いない。

　そうした若い技術者が憧れるスタイルのバーバーが、更にスタイルを細分化させて登場してきたのが近年の状況だ。

　重厚でクラシカルなロンドン・スタイル、アーリーアメリカンでオーセンティックなニューヨーク・スタイル、それにスケートボーダーを取り込んだヒップホップカルチャー・スタイルと、同じオシャレにしてもテイストの異なるタイプのバーバーが誕生し、理容を志すさまざまな嗜好を持った若者の受け皿として機能している、というのがここのところのバーバーブームの背景にあるに違いない。

　そうした背景を踏まえて11月19日（土）に開催された本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）の『メンズヘアスタイルフェスティバル』。活躍する本学の卒業生をゲストに迎えたステージやパネルディスカッション、それに在校生によるステージに加え、技術体験コーナーも設けられ、ワタクシがパチリした渋谷校の体験コーナーでは、ゲストステージに立った卒業生も交えて和気あいあいとした雰囲気の中、フェスティバルは進行しておりました。

　さて、オシャレなアナタの就きたい職業は何ですか？