人類の歴史は、文化のレキシに他ならない。

　一般に、人類は本能に従ってさえいれば幸せだったものを文化を持ったが故に本能を失い、更なる幸せを得んがためにさらに文化を発展させる、というイタチごっこを繰り広げてきたと云われる。

　ワタクシたちは、いわば本能を捨てた種族で、その時から文化を発展させ続けなければ生きられないという十字架を背負わされた、生物としては不完全な悲しい生き物なのだ。

　さまざまな文化の集積を文明と呼ぶのなら、先進国といわれる文明社会に暮らすワタクシたちは、いったいどれくらい文化を手に入れてこれたのだろう。

　例えば理美容も文化の一翼に他ならない。

　本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）の美容考古学研究所も研究を進めているが、縄文時代にはすでにヘアスタイリングをしたりメイクをしたりと、現代と何ら変わらないカルチャーを体現していたと云われている。まあ、土偶製作というかなりアーティスティックな活動も展開していたわけだから、当たり前田のクラッカーか...。

　ところで、過日、コクサイブンカの1年生（138期）を対象に行われた『特別授業』では、「お客様の文化になる」を社是に掲げる実力派人気サロン『MINX』がご登場。岡村享央社長がご自身の体験を踏まえて「人の為になる」ことの意義を説くと、続いて新鋭の若手スタイリスト2名によるヘアスタイリングステージが繰り広げられ、美容という文化の一つの側面を披露した。

　ヘアスタイリングしたりメイクしたりする。この遥か1万年以上も前から行われている文化的行為に遠く思いを馳せ、「美容は文化だ！」と拳を握るワタクシでありました。