人と競うのも、人前で何かを披露するのも苦手。できれば、こっそりひっそり人目につかず生活なり仕事なりをすることを願う人って、わりと多いに違いない。

　でも世の中、なかなか思いどおりにはいかないものだ。

　斯くいうワタクシめも、人様に駄文を晒（さら）すなどと、みっともないことをしているわけだから、何をか言わんやなのである。

　ところで、この人目に晒すという行為が人の成長を促すのに効果がある、というのはご周知のハナシ。

　武道やスポーツなど、およそ競技や試合と名のつくものは公開されて人目に晒されるものがほとんどで、敗者は大衆の面前で敗北宣言を余儀なくされる。

　拷問だ。これは精神的拷問だ。だけど、人はそこで自身の弱さを知り、別の道を探したりこれまでとは違う強くなるためのアプローチを模索したりするわけだ。故に人目に晒されることが、人の成長に好影響を及ぼすという論法が成立する運びか。

　先日開催された、全国の婚礼美容師さんらで組織・運営される『全日本婚礼美容家協会』の東京ブロック（本学・荘司礼子校長がブロック長を務める）が主催する『Zenkon Contest 2023 東京大会』の『留袖着付コンテスト』（ジュニア部門）に出場した本学（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）の2年生（138期）もまた、多くの美容師さんたちの面前で競技と題した技術披露を行い、勝敗を決しておりました。

　学生はこうした経験を通じ、新たに技術の探求を模索してゆくのでありましょう。