国際文化理容美容専門学校

渋谷校/国分寺校
厚生労働大臣指定

美容師のスタイリスト

BEAUTY STYLIST

美容師のスタイリスト

美容師のスタイリスト(ヘアスタイリスト・ヘアデザイナー)

スタイリストという言葉からは、どのような職業をイメージするでしょうか。広辞苑では、「スタイリスト(Stylist)」は、「(1)文体家、名文家、(2)スタイルを気にかける人。おしゃれ。気取り屋。(3)映画や写真撮影などで、俳優やモデルの衣装・髪型・小道具や全体の構成を整える人。」とされ、最初に思い浮かべるのは、芸能人やスポーツ選手のファッションをコーディネートするファッション業界のスタイリストではないでしょうか。転じて、一定の型や様式に整えることをスタイリングということから「スタイリング剤」といえば、愛用のワックスやヘアムースなどもイメージされるでしょう。理美容業界では、見習いの期間をアシスタント、一人前の美容師になることを「スタイリストデビュー」と称しています。ここでは、美容師のスタイリストについて考えみましょう。

ヘアスタイリストとヘアデザイナーの違いは?

理容美容業界では、一般的な美容師をスタイリスト、よりデザイン性やモード性を追求したアーティスト性の高い場合に、「ヘアデザイナー」や「ヘアメイクアップアーティスト」を用いられ、後者は、会社に所属したりフリーランスで仕事を請け負い、雑誌、CM撮影やコレクションなどのクリエイションの側面が強いニュアンスで捉えられるようです。美容業界誌やファッション雑誌のフォト作品の提供者名のクレッジトタイトルでも「ヘアデザイン(hair design)」「ヘアメイク(hair make)」が用いられ、「スタイリング(styling)」といえば、やはり衣装のスタイリストを指すことになります。
美容師を英語に直訳すると「ビューティシャン(beautician)」、「ヘアードレッサー(hairdresser)」となり、ヘアデザイナーやヘアスタイリストという表現は、ファッション業界からの流用と思われます。自らブランドを提案するファッションデザイナーとスタイリストとの違いを援用すれば、クリエイティブな作品を提案するヘアデザイナーに対し、ファッションやトレンドのヘアスタイルの再現性を提供するヘアスタイリストと説明することができるかも知れません。
日本ヘアデザイン協会(1957(昭和32)年設立)や日本ヘアスタイリスト協会(1978(昭和53)年設立)などに象徴されるデザイン性とモードを発信し、ライフスタイルとファッショントレンドをデザインする現代的な美容業界の流れを象徴するのがヘアデザイナー・ヘアスタイリストの登場といえるかも知れません。

美容師のスタイリストの仕事内容とは?

一般的な美容師のスタイリストの仕事内容は、どのようなものでしょうか。まず当然ながらサロンワークですが、それ以外にも撮影会やファッションショー、ヘアショー、そして様々なコンテストへの参加など多岐にわたります。ここで中心となるサロンワークを3つの側面(接客、施術、営業)に整理し、主な業務内容を整理してみましょう。
・第1の接客面では、お客様のニーズを読み取り、お客様をおもてなしするというホスピタリティが大切になるでしょう。そのために必要なのは笑顔、挨拶、アイコンタクト、コミュニケーションなど人間性の要素です。
・第2の施術面では、シャンプー、カラー、パーマなどの技術を高め固定客と指名客を増やし売上を増やしていくことが必要です。
・第3の営業面では、クオリティの高いヘアに関するフォト作品をSNSによる情報発信からフォロワーを獲得し、集客動員に繋げる取り組みが求められます。また近年は、店販と呼ばれる専売ブランドの販売やブログの更新やインスタに代表される頻度の高いSNSによる情報発信も重要です。

接客面 お出迎え、お見送り、ご案内、電話応対(予約管理)、ドリンク提供、清掃、カウンセリングなど
施術面 パーマ、カラー(ホイルワークなど)、スタイリング、シャンプー(ヘッドスパ・トリートメントなど)、ブロー・マッサージ(フェイシャルなど)、カットなど
営業面 撮影、SNSの発信(チラシ配り)、モデルハント、店販など

ヘアスタイリストの1日

一般的には、営業前と営業後に練習時間(レッスン)や実技試験の時間が設定され、後輩アシスタントの指導に加え、自主的なトレーニングも欠かせません。次に、朝礼が営業前に、営業後には終礼が行われます。これは経営理念の共有から一日の流れや予約状況の確認と申し送り、個人やチームの目標や反省点の確認などが行われます。そして、お店がオープンすれば、サロンワークです。集客力のあるスタイリストであれば、お昼ご飯も取る時間も限られるため食生活も乱れがちになり健康管理も大切です。それでは具体的に美容室で働くスタイリストさんの一日を『理容師・美容師の一日』*1から見てみましょう。

9:00 出勤、ミーティング~自身の身だしなみを整え、当日の予約情報を共有し、当日の来店予定のお客さまに子ども連れや車いす利用者などの配慮が必要な人がいる場合の確認など。
9:15 開店準備~店内清掃や施術準備、パソコンどの予約管理システムや紙の予約台帳などで予約の状況を確認し、スタイリストとアシスタントの分担や担当などを、忙しくなる時間などもイメージ。
9:30 開店~
【カウンセリング】髪の悩みや、なりたいイメージを聞きます。
【シャンプー】近年は施術者の腰の負担が少なくて済むバックシャンプーという方法が主流となりますが、伝統的なサイドシャンプーという方法もあります。
【カット】長さの調整、自然な雰囲気、お客様の望むヘアスタイルに仕上げます。
【ヘッドスパ】お店によって扱う製品や手順がことなりますが、リラクゼーション効果も期待できる施術です。
【ブロー】その人の髪質や顔立ちに合わせて、ボリュームを出したり、すっきりまとめたりと、ドライヤーの当て方にもプロの技があります。
12:00 昼食・休憩など~施術や予約の合間に交代で休憩、こま切れになることも。一般的には、平日は、お客様がいない時間は、ブログの記事の掲載などの情報発信、器具の手入れや消毒もこまめにして、清潔に保ちます。
13:00 午後の業務例~
【カラー】カラー剤は色の種類が10数種類、明るさのレベルが5~10段階ほど。これらをかけ合わせると100種類以上の色を作ることも可能になります。2つの薬剤を配合する割合や使用量を計算するのも、仕上がりにも直結する重要な仕事になります。
【パーマ】ロッドを使用するパーマの技術も髪質などの個人差が大きく、練習と経験が仕上がりを左右する奥が深い技術です。また美容師の国家試験では、パーマの技術の基本である「ワインディング」と「オールウェーブセッティング」と呼ばれる課題があります。
 理容師免許・美容師免許の国家試験についてはこちら
19:00 閉店~最終受付時刻を過ぎ、施術をすべて終えて、閉店後は、店内清掃や器具の洗浄・消毒、その日担当したお客さんのカルテの記入、会計の確認などを行います。また開店前や閉店後は、練習で技術を高める貴重な時間です。後輩の指導やスタッフ全体のレベルの向上も欠かせません。

美容師のスタイリストのキャリアは?

美容業界は、典型的なOJT(職場内訓練/On the job training)の世界です。一般的な美容師のキャリアは、大きく次の3つのステップを経るイメージで捉えることができると思われます。まずアシスタントから一人前のスタイリストになるまでのキャリアが2~5年程度。次に後輩の育成を担うようなスタイリストからマネージャーまでキャリアが7~10年程度、最後がマネージャーから次のステップとして、一般的には、サロンをマネジメントする立場となる店長(マネージャー)やチーフとなり独立も視野に、どのような形でキャリアを築くのかを考える段階になります。
また特定の技術に特化して専門性を高め、講師として講習を行うなど、海外まで幅広く活躍の場は広がります。
研修会、勉強会の役割も大きく、ファッションやモードに対する感度を高め、また最新の美容技術と最先端のトレンドを学び技術を高め、撮影会や社内外のコンテストにも積極的に参加することで、自分自身のブランド力を高めていくことが求められるといえるでしょう。他方、近年は、訪問型の美容サービスのニーズも高まり、会社規模の違いや雇用形態の違いによっても働き方は、多様化しています。そして必須ではありませんが将来的に自分のサロンを持つとなると取得しておきたい資格が管理美容師になります。

美容師のスタイリストの種類は?

前述の通り、美容師の仕事の内容は、ヘアデザイナーやヘアスタイリストと同義ですが、それ以外にも区分の違いを整理してみましょう。最もシンプルなのは、アシスタントとスタイリストだけに分ける場合ですが、一般的には、ブランド力のあるサロンほど、キャリアと集客力に応じ、さまざまな職位(ランク)を設けるケースが多く見られます。これはサロンのブランド戦略として差別化されている場合が多く、用いられ名称も以下のように様々です。

メイクアップアーティスト
ヘアデザイナー
アートディレクター
ディレクター
エグゼクティブスタイリスト
クリエイティブスタイリスト
シニアスタイリスト
トップスタイリスト
スタイリスト
ジュニアスタイリスト
ヘアケアリスト
スパニスト
カラーリスト※1
アイリスト※2

映画、テレビ業界、撮影、コレクションの仕事のみを担うヘアメイクアップアーティスト、メイクアップアーティスト、ヘアデザイナーに対し、サロンワークにも軸足を置いている場合は、ヘアスタイリストを用いる場合が多いようです。
ディレクターには、支配人という意味があることから、店長や副店長クラスの役職名として用いられることが一般的です。これ以外にもコーディネーター、マネージャー、主任なども使用されます。これらは一般的にイメージされる美容師の仕事内容を網羅しているものの個々のサロンによってのランクの意味づけも異なることからマーケティング戦略の一環ともいえるでしょう。他方で、美容師のスタイリストと、一線を画し、差別化されているのがカラーリスト※1とアイリスト※2です。前者は、ヘアカラー専任の業務を担い、特化した技術のポジションとブランド力を提供しています。後者は、近年になって美容師免許の業権として明確に位置づけられたアイリストも専門職化された独立した職種といえるでしょう。

美容師のスタイリストの給与は?

美容師・理容師の給与・年収でも触れていますが、一般的なスタイリストは、固定給に加え、歩合給の占める割合が高くなる傾向があるようです。その際に、前項で述べたスタイリストの種類(ランク)やサロンの規模やスタイリストの数、指名客数などの要因によっても異なることが多いようです。
スタイリストへの指名料と歩合給のパーセンテージは、例えば、一ヶ月間の売上が100万円で〇%と売上に応じて歩合給の上げ幅は大きくなることが一般的で、これは新規顧客と指名顧客などの違いもあり一概には言えません。この歩合給のパーセンテージの割合の上げ幅は、サロンの集客動員やアシスタントの数を要因にサロンごとに異なってきます。売上を高めるために重要になるのがアシスタントの存在と顧客の平均単価です。高いメニュー料金の設定は、サロンの立地やブランド力とも相関しますが、一日で担当できる顧客数は、メニュー内容にもよりますが施術時間を鑑みても自ずと限界があります。そこでアシスタントの存在が不可欠になるとともに、お客様が平均して支払う金額で、売上も大きく左右されます。
近年は、リーズナブルな価格で特定の施術に特化(クイックカットやカラーなど)したサロンのニーズも高く、低価格での施術を希望される顧客を動員し、高い回転率で経営を成功させるチェーン店も存在感を発揮しています。このような場合は、美容師の個々人の売上に差がでることはなくなるため歩合給の割合よりも固定給を重視する給与体系もあるようです。他方で、フリーランスや業務委託など働き方によっては個人事業主として、完全歩合制に近い給与になり、多様な働き方とともに稼ぎも「己の腕」次第となります。

参考文献

大岳美帆・木村由香里著『美容師・理容師になるには』(2018)ぺりかん社

脚注

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