美容師・理容師の仕事を収入から考えると、かつて注目を浴び、一時代を築いた「カリスマ美容師」たちに象徴される「腕一本で稼げる」まさに芸能人やプロスポーツ選手とならぶ実力の世界とされています。技術力とコミュニケーション力を武器にニューヨークや経済発展が著しいアジアの国々にも活躍の場を広げる美容師・理容師たち。
日本でもSNSでの情報発信力による新規顧客の獲得により多くのフォロワーを抱え、ブランド力のある有名サロンで予約が取れないトップスタイリストたちの年収は、20代半ばでも1000万円を超えるともいいます。他方で、厚生労働省による賃金に関する統計データによれば、美容師・理容師の平均年収は、約275~300万円程度となっています。華やかで流行の先端を担う夢のある仕事である美容師・理容師のキャリアから、まさに己の腕次第となる「給料・年収」について考えてみましょう。
美容師・理容師の初任給は?
まず美容師・理容師のスタートラインとなるアシスタントの初任給は、総支給額は概ね17~19万円台が中心で、大卒なみの20万円以上の初任給を提示する美容サロンも見られるようになりました。従来の美容師・理容師のイメージでは、アシスタントの時は、長時間労働と低賃金の修業時代とされ、現在も規模の小さい個人経営のサロンなどは、美容理容問わず高卒程度の初任給が一般的です。しかし、近年、最低賃金同様に都市部や人手不足が深刻な地方中核都市の経営力のあるサロンで初任給が上昇傾向にあります。「令和6年美容業の振興指針(厚生労働省)」に指摘されているように、住宅地に立地する小規模個人経営の店と、商業地や交通至便の場所に立地する法人経営の中規模・大規模店とに二層分化の傾向などによる収益力の違いも初任給と年収にも影響があります。かつては「カリスマ美容師」ともてはやされた時期もあり、売上に比例して収入も増えていくこが期待できる実力の世界です。
美容師・理容師の福利厚生は?
「衛生行政報告例*1」によると27万軒に迫る美容所(室)、11万軒台の理容所(室)とも圧倒的に個人経営が占めています。他方で、店舗数を拡大し、100人規模の従業員を抱え、法人格を有し大型化するサロンも増加してきました。個人経営では、当然一般的な企業とは比較できないでしょうが、企業化されたサロンでは、これまで加入が進んでいないとされていた社会保険への対応も進み、完全週休二日制や女性が多く活躍する業界の特性から、出産・育児休暇制度などの働きやすい就業環境の整備が広がりつつあります。この点は、給与面に現れない部分で、各種の社会保険制度の違いなども含め、後述するように個人経営や小規模サロンと企業規模の大きいヘアサロンでは、状況が異なることをしっかり理解しておくことも必要になるでしょう。
従業員数や企業規模は?
セット面も多くスタッフ数の多い一定規模のサロンでは、チームワークが必要になるため様々な交流の機会を設けることが多く、定着率の向上の取り組みも重要です。その背景には、後述するように人手不足に加え、専門職としての美容師・理容師の人材流動性が高いという美容理容業界の構造的な要因も指摘できます。さらに従業員数や企業規模(店舗数)なども重要なファクターとなります。
圧倒的な店舗数を誇る美容業界、また理容師免許の新規取得者の絶対数が少ない理容業界ともに、全国から理容美容専門学校生が集う有名サロンを除いて、総じて人手不足の売り手市場です。そのため平均3年から5年程度とされていたスタイリストデビューまでの教育カリキュラムを短く設定するサロンも少なくありません。中規模・大規模店のなかでには、職業訓練校を設置したり、サロンのブランド力を背景にアカデミーも展開するなど人材育成に積極的に取り組んでいます。
美容師・理容師のキャリアと給与・年収は?
理容所(室)では、職位は細かく細分化されていない場合が多いですが、美容所(室)では、アシスタントからジュニアスタイリスト、スタイリスト、トップスタイリスト、ディレクター、マネージャーなどの職位のキャリアを積んでいくことが一般的です。美容師と理容師の違いに加え、サロンの労務・人事管理の形態によりこれらの職位・給与体系も異なりますが、いずれの場合も集客力と職位に比例し、年収も上昇していくことになります。つまり美容師・理容師の給料・年収は、サロンもしくは、個人としての「集客力」、すなわち「売上」に寄るところが非常に大きいといえるでしょう。
美容師のキャリアでは、アシスタントまでの給料は、基本給と職能給、スタイリストになると、それに指名料と歩合給が加わることが一般的です。また業界の求人情報誌には、スタイリストデビュー1年で月給50万円達成などの文言も謳われています。
美容師・理容師の給料・年収の仕組みは?
顧客単価とリピーター
近年は、リーズナブルな価格で特定の施術に特化したサロンのニーズも高く、低価格での施術を希望される顧客を動員し、高い回転率で経営を成功させるチェーン店も存在感を発揮しています。その場合は、美容師・理容師の個々人の売上に差がでることはなくなるため歩合給の割合よりも固定給を重視する給与体系もあります。
独立、フリーランスになるメリット・デメリットは?
自分の集客力と売上は?
フリーランスになる留意点
出典・参考文献
脚注
東京の美容専門学校は国際文化理容美容専門学校。美容師・理容師の国家資格免許の取得に向けてヘアメイク・カット・ネイル・ブライダル・エステ・着付など、美容のすべてを学ぶ環境です。技術専門の教員が中心に授業や就職面をサポートします。また入学者を募集しています。総合型選抜(旧:AO入学)、学校推薦型選抜【指定校制】(旧:指定校推薦入学)、学校推薦型選抜【公募制】(旧:公募制推薦入学)、一般選抜(旧:一般入学)などのご相談は、オープンキャンパス・個別の見学会にてお待ちしております。